保健福祉学部現代福祉学科Department of
Contemporary
Welfare Science

現代福祉学科 研究紹介

 

口村 淳(くちむら あつし)

 

【こんな研究をしています】

映画に描かれる登場人物や場面を通して、社会福祉やソーシャルワークを学ぶ上での教材としての意義について研究しています。映画は、エンターテイメントであると同時に、時代や社会を映す鏡といわれることがあります。近年アカデミー賞の対象作品に、マイノリティ(少数派)の人材起用やマイノリティを作品に反映させることが条件に組み入れられたことから、その傾向はますます顕著にみられます。
そこで、1970年から2010年までに発表された認知症を題材とした日本映画(15本)を取り上げ、その教材としての意義について検討しました。分析の視点として、認知症施策の変遷と登場人物の描写の傾向(表1)、登場人物の属性と在宅介護の描写の傾向(表2)、登場人物にみられる臨床的特徴の傾向に着目しました。その結果、①当時の認知症施策のトレンドを学ぶツール(道具)として活用できる点、②認知症の人やその家族を追体験することができる点、③認知症のさまざまな症状が視覚的にイメージしやすい点、をあげることができました。映画を観ることは、社会福祉を学ぶ目的ではなく、「入り口」になり得ることが理解できます。

表表

 

【キーワード】

映画、ソーシャルワーク、社会福祉、認知症、マイノリティ

 

【受験生・在学生にひとこと】

普段何気なく目にする映画、ドラマ、小説、漫画などの中にも、社会福祉や社会問題を題材にした作品が少なくありません。大学で社会福祉やソーシャルワークを学ぶことにより、それらの作品の背景を知ることができ、今まで以上に深く作品に寄り添うことができるようになります。映画という身近な題材を通して、多くの若い世代に社会福祉を身近に感じてもらえるよう研究に勤しんでいます。