現代福祉学科 研究紹介
趙 敏廷(ちょう みんじょん)
【こんな研究をしています】
老いを迎えてもその人の多様性が尊重され、安心して生活を営むことができるための介護支援について研究しています。
例えば、日本で暮らしている外国人は老年期を迎え、介護が必要となった時、言葉の壁など不安があるため介護サービスを利用せず、家族で抱え込むことがあります。安心して介護サービスを利用してもらうためには、どのような介護支援が求められるのか、について実態から課題をみつけて、実践方法を検討しています。
外国人高齢者は母語返り(日本語を話せ るにも関わらず、認知症になると母言で 話すようになる)が見受けられることも あり、日本で生まれ育った家族との意思 疎通が難しくなる場合があります。母語 による会話や慣れ親しんだ食べ物、生活 習慣など、文化に配慮した介護サービス は、外国人高齢者が居心地よいと感じ、 自分らしい時間を過ごせるための助けと なります。また、家族とよい関係性を保 つことに役立てることが期待できます。
【キーワード】
介護、多文化、外国人、高齢者、マイノリティ
【受験生・在学生にひとこと】
外国人のほか、LGBTなど性的マイノリティの方も介護が必要となった時に、差別されないかと不安があるため介護サービスを利用せず、孤立することがあります。少数派の人々が介護を必要とする時、希望するサービスを利用できることが保障される環境づくりに向けて、開かれた価値観を兼ね備えた介護・福祉人材養成について探求することから、地域共生社会の実現につながるヒントを得たいと考えています。誰もが最期まで自分らしく生き抜くことを支える介護のあり方について一緒に検討していきましょう。