現代福祉学科 研究紹介
髙戸 仁郎(たかと じんろう)
【こんな研究をしています】
高齢者や障がい者の生活を支援する方法を機器や用具の面から研究しています。
例えば、視覚障がい者は周囲の状況を視覚から得ることが難しいため、他の感覚たとえば音や触り心地、においなどから様々なことを見つけています。特に、一人で歩行する時には自分が今どこにいるのか(周辺の障害物との距離、目的地の方向など)を知ることと、目的地まで安全に移動する(障害物を避ける、段差を検知して乗り越えるなど)ことの両方が求められます。
これらの行動を支援する設備には、我が国で開発された点字ブロックや鳴き交わし式音響信号機、エスコートゾーンなどがあります。私たちはこの設備をユニバーサルデザインの視点から更に改良したり、行き届いていない場所で利用できる新たな設備を開発したりしています。現在は、屋内で使用できる点字ブロックや、踏切を安全、確実に渡ることができる手がかりを開発しています。
視覚障がい者以外にも躓きや段差乗り越えに配慮した既存の誘導マットに、足で踏んで更に分かりやすくなる工夫をし、実際に視覚障がい者に使用していただいた時の評価(右図)をもとに、有効な屋内用視覚障がい者誘導路を提案します。
【キーワード】
障害行動科学、視覚障がい、ユニバーサルデザイン
【受験生・在学生にひとこと】
ヒトの行動はわかっているようでわからないことが沢山あります。私たちは日常生活の中の行動に目を向け、安全で快適な行動のためにどのような環境が必要なのかを探究しています。障がいのある人とない人が平等に、自分の暮らしたい地域・社会で生活し、同じ職場で働き、同じ学校で学ぶことができるインクルーシブ社会を実現するために、行動分析によって分かることを環境に取り入れ、どのように活かすかを考えています。