現代福祉学科 研究紹介
大倉 高志(おおくら たかし)
【こんな研究をしています】
ある家庭で自殺が発生した場合に、地域社会を構成する救急隊、警察、救急病院、葬儀社、市役所、学校教職員、産業精神保健従事者、ソーシャルワーカー等の関係者は、どのような点に気をつけて支援を実施することが求められているのでしょうか?
特に、自殺が発生した際に、子どもがいる場合には、自殺発生直後という状況の中で、どのような点に気をつけて子どもの支援を開始する必要があるのでしょうか?
私は、2020年にミネルヴァ書房から出版した拙著である『自殺で遺された家族が求める支援―偏見による苦しみへの対応―』において、自殺で遺された家族の続柄の違い(調査対象:配偶者、親、子ども)に着目して実施した聞き取り調査の結果をまとめ、報告しました。その中で、調査結果の一つとして、自殺発生後の家庭内における子どもが置かれた現状を把握する際の3つの着眼点(要素)を提案しました。
その3つの着眼点とは、1.現場にいたか、2.自殺だったと教えられたか、3.遺体との対面を果たしたか、というものです。そして、この3つの着眼点に基づき、5つの分類に基づいた現状把握と個別支援が実施されていくことが期待されます。
【キーワード】
自殺、遺族、支援、続柄、配偶者、親、子ども、兄弟姉妹、地域、関係者
【受験生・在学生にひとこと】
私たちは、自分以外の人々が何を望んでいるのかを正確に推測することは困難です。しかし、当事者に聞き取り調査をすることにより、その当事者が何を望んでいるのかを把握し、社会に発信することが可能です。ご自身の興味・関心に基づいた調査研究を実施し、世の中に発信してみませんか?