保健福祉学部現代福祉学科Department of
Contemporary
Welfare Science

現代福祉学科 研究紹介

 

喜村 仁詞(きむら ひとし)

 

【こんな研究をしています】

社会福祉施設は財に視点の基づくとサービス財に分類されます。このサービスには、無形性(目に見えず、手に取って確認することなどができない)・同時性(生産と消費が同時に行われる)・消滅性(生産と消費が同時行われるため、その場でなくなってしまう)・不確実性(サービス提供者が異なると提供するサービスが異なる)などの特性があります。これら特性から、利用者にとって事前に正確なサービス内容を理解することが困難です。もし利用者が過大な期待を持ってサービスを利用した場合、実際のサービスに不満を持ちます。また反対に、事前の評価が低すぎると、そもそもそのサービスを利用しようと思いません。そこで、どのようにすれば正確に提供するサービスを伝えることができるのかについての研究をしています。
また、サービス提供者にとって、この目に見えないサービスの評価は、利用者がそのサービスを利用してどう感じたのか(満足だったか・不満だったか)が鍵となります。利用者が何を求めているのかを理解し、そのニーズを充足するサービスを提供することが重要となります。このような、サービス利用者の満足度(顧客満足度)がどのように生成されるのかについての研究も行っています。
利用者が満足するサービスを提供するためには、サービスを提供するスタッフが業務に積極的に取り組める環境づくりが重要となります、そこで、従業員の職場でも満足度を高めるためには何が必要になるのかも重要な視点となります。
上記のように、「満足度」を起点にサービス組織の経営についての研究を行なっており、現在は、「大学」を事例に学生の満足度を高めるためにはどのようにすればよいのかについて取り組んでいます。学生が大学に満足すれば、高校の先生や後輩に肯定的なクチコミを発信するようになり、新たな志願者の獲得へと結びつきます。このように「満足度」を読み解くことは、サービス組織の経営には大変重要なものとなります。

 

【キーワード】

サービス・顧客満足度・マーケティング

 

【受験生・在学生にひとこと】

福祉や教育の現場などで提供されるサービスは目に見えないものです。この目に見えないものをどのように伝えるのか、また提供する品質をどのように作り上げ、また管理していくのかなどは大変難しく、正解は1つではありません。大学は、このような“解の無い答え”に取り組むところです。どのような研究分野・テーマでも構いませんので、是非“解の無い答え”に取り組んで、”思いがけない答え”を見つけてください。