2023年6月12日建築学科

学生の声(第1回)

記念すべき第1回は、4年生の渡辺珠羽さん(2020年度入学生)へのインタビューです。

 

テーマ:3年間の学生生活を振り返って

インタビューの様子

渡辺さんインタビュー風景。気軽にいろいろとお話を聞かせてくれました。朗らかで活動的な渡辺さん。4年生のまとめ役という印象があります。負けず嫌いな性格も伝わってきました。(2023年5月29日の朝、岡北研究室にて)

 

Q1:本学を選んだきっかけやエピソードを教えてください。

高校時代を振り返ると、同級生の多くが国公立大学を目指すこともあり、地元の愛知県の国公立大学の建築学科を最初は意識していたのですが、最終的にはキャンパスが広くて、気候がよくて、名古屋からもそれほど離れていない岡山県立大学に決めました。母親が、あなたは岡山に行ってよかったよ!とよく言ってくれます。なぜかははっきりとわからないのですが、のびのびとキャンパスライフを送れたことと、一人暮らしで少しはたくましくなったからかなと思います。

 

Q2:これまでの学生生活を振り返ってみて、転機となった出来事や経験を教えてください。

2年生の時に、畠先生が「建築サロン」を立ち上げようという話を学生に持ちかけてくれました。友人と話しながら気軽にやってみようと参加したところ、イベントを企画したり、他学年の学生たちに声をかけたり、みんなでチームを作って建築コンペに挑戦するようになりました。気がつけば思いがけず建築サロンの中心的なメンバーになっていました。高校生の時は全体をまとめたり、企画を立ち上げたりすることはなかったので、自分でも驚いています。

プレゼンの様子

建築サロンとは、建築コンペの応募や、学外から講師の先生を呼んでのレクチャーや作品講評会、学科全体でのレクリエーションなどを企画・運営している学生主体の組織です。この写真は、2022年10月に開催された「ワンデー・エクササイズ」という建築コンペでのプレゼンテーション風景です。

 

Q3:岡山(総社市)という場所をどう思いますか?

岡山に来る前は、名古屋市郊外の住宅地に住んでいました。すごく整えられた近代的な都市で過ごしていたせいか、自然の魅力にあまり気がつかずにいましたが、総社に来て、豊かな自然の力に驚かされました。水田の風景とか、夜の星空とか、どこまでも広がっていくような景色とか、いまでも散歩しながら楽しんでいます。自然や建築を取り囲む環境をいかして設計することの大切さは、総社の風景が教えてくれたような気もします。

総社の水田風景

渡辺さん撮影の水田の風景。6月ごろの田植えが終わった後。水面が景色を映します。

 

総社の風景と電車

こちらも渡辺さん撮影。田園風景の中をJR吉備線(桃太郎線)のオレンジの車両が駆け抜けていきます。

 

Q4:印象深い授業や課題について教えてください。

やっぱり建築設計演習ですね。友人たちが真剣に取り組むのをみて、負けていられない気持ちになりますし、自分のアイデアや作品を先生や学生たちが褒めてくれた時には、達成感や充実感をものすごく感じます。

一番印象に残っているのは「建築設計演習5」(3年生の第1課題)です。この演習は建築学科の吉田豊先生に加えて、広島県福山市の建築家である藤本寿徳さんが外部講師を務めてくださいました。藤本さんは、私の考えや草案をお見せすると、ダメ出しをしながらいろいろなアドバイスをくれました。途中段階とはいえ、自分の作品が評価されなかったのは悔しくて、なんとか挽回したいと必死になりました。藤本さんからは、このアイデアで行くならアルヴァ・アアルト(フィンランドの20世紀を代表する有名建築家)の作品をよくみた方がいいという話があったので、吉田先生のサポートを得ながら、アアルトの作品を丁寧に分析し、負けてられないと頑張りました。最後の講評会の時に、藤本さんが褒めてくださって(改善点も色々と指摘されましたが)、とてもうれしかったことを覚えています。

作品図面

「建築設計演習5」で制作した作品「小学校公園化計画」。小学校を新しく建設するという課題において、公園で遊ぶように学校で学ぶことができる場所を作ろうとアイデアを練りました。

模型1

「建築設計演習6」で制作した作品「GAP」。岡山城近くのお堀のそばに美術館を設計しました。これは内部の様子や、外部空間との関係がわかるように工夫した断面模型です。

模型2

もう一枚「GAP」の模型の写真です。設計した建築の造形の面白さが伝わるように丁寧に作りました。

 

Q5:最終学年である4年生での1年間の目標や、やりたいことは何ですか?

卒業後の進路が決まっているので(名古屋の住宅設計・施工会社に就職予定)、大学生のうちにやれることを精一杯やろうと思っています。まずは卒業研究です。それから建築サロンの活動をしたの学年たちに引き継いでいくことも大事です。卒業旅行も楽しみたいなと思っています。この秋からヨーロッパに留学予定の同級生が2人いるので、彼女たちに会いにいこうと思っています。

 

Q6:卒業後の夢や希望、あるいは野望を教えてください

野望はないです(笑)。若いうちにいろいろと経験したいという思いは強いです。卒業後に名古屋で働くことを選んだことも、地元で働きたいというのもありますが、国内外に出かけやすかったり、建築のプロジェクトも多岐に渡るという点があります。希望は、強いていうなら、早いうちに一級建築士を取りたいです。

 

Q7:最後にひとこと!

他の大学での学生生活を経験したことがないので、他の大学と比べてどうなのかとか具体的なことはわからないことが多いですが、率直に思う岡山県立大学の建築学科のいいところは、先生同士の仲が良くて、どの先生にも相談しやすいところです。学生の顔と名前をちゃんと覚えてくれていて、気さくな先生たちが多いです。
一つ、先生方へのお願いとして…。いまは1年生から3年生までが大きな製図室を共有していて、4年生になると二つのスタジオ(研究室・作業室)に分かれていくのですが、4年生も含め、一つの製図室で作業できるといいなと思います。そうして、学年を超えた学生同士の輪が広がっていって、岡山県立大学の建築学科がますます盛り上がっていくことを期待しています。