2024年2月28日地域連携・研究子ども学科

「見て触って音を出してみよう 楽しいバイオリン教室」を開催しました

2024年2月6日に、本学安久津太一教授(子ども学科)が社会福祉法人ちとせ交友会当新田ちとせ保育園(岡山市南区)の全園児、0歳から5歳児クラスを対象に、『見て触って音を出してみよう 楽しいバイオリン教室』を開催しました。同園では3回目でしたが、これまでに同法人の、ちとせ認定こども園(岡山市東区)グリーン長利こども園(岡山市中区)、長船ちとせこども園(瀬戸内市)でも実践しています。

子どもたちが、本物のバイオリンやチェロ、トーンチャイム、ハンドベル、リコーダーなどの楽器を触って、パッヘルベルの《カノン》を合奏し、演奏体験をすると同時に、楽器の音色を探究する姿が印象的でした。最後に、園児たちが鼓隊演奏をした《うたえバンバン》《おどるポンポコリン》を演奏すると、4歳5歳の園児たちは、楽しそうにみんなで声を合わせて歌い出しました。同日は県大の学生も参加させていただきましたが、今までオンラインでの関わりが多かったこともあり、直に子どもたちと触れ合う好機となりました。なお、同実践は、コロンビア大学Teachers College、Dr. Lori Custodero等により実践・研究されている発達や乳幼児教育学の知見を活かしており、探究と共同の学びのスタイルが特長です。海外の研究をベースにした実践ですが、子どもの豊かな感性や表現する力、創造性の芽生を客観的に見取り、育む方向性は、我が国の幼児教育、幼稚園教育要領等との親和性も実は非常に高いです。子どもたちは、当日手にした複数の楽器で即時にアンサンブル体験をすることができましたが、早期に合奏体験ができる弦楽器教育の教授法はfast protocolとして音楽教育分野の国際論文(Akutsu, 2017)にもなっています。

 

ご参加くださった先生方からのコメント

河本律子先生(当新田ちとせ保育園・園長)
音を楽しむ機会を毎年ありがとうございます。本物の楽器に触れ、触って音を出す子どもたちの真剣な表情、仕草は、玩具で遊ぶ学ぶ時とはまた違う表情でした。カノンに合わせて、2つの音を交互に出すことを教えてもらうと、5歳児は、一定のリズムで音を出し、友だちと顔を見ながら、呼吸を合わせる姿もありました。身体で音を楽しんでいる瞬間でした。保育の現場では、見られない場面を見ることが出来るので、私たちも貴重な経験をさせて頂いています。
 
野間順子先生(ちとせ交友会・岡山エリア・採用担当)
年齢に関係なく、0歳から大人まで、響きを直に体験して楽しめることがバイオリンの魅力の一つです。
 
三宅祐佳先生(当新田ちとせ保育園 2歳児担任)
毎年、クラリネットで参加させていただき、ありがとうございます。子どもたちもバイオリンに触れることができて、とても喜んでいました。貴重な体験をありがとうございます。
 
鉄本典子先生(ちとせ認定こども園・保育士)
私はピアノで参加させてもらいました。本物のバイオリンやチェロに触れた子どもたちの真剣な顔はとても印象的でした。子どもたちの中には、知っている曲を口ずさむ姿も見られ、とても楽しい時間でした。

 

岡山県立大学の子ども学科では臨床的な学びを重んじていますが、子どもたちや園の先生方、地域や保護者の皆様と、新しい音楽教育・幼児教育・保育のアプローチを共に開拓していく活気的な試みが、複数の共同研究としても始動しています。本企画も、これから本格化する、幼児が音楽する姿を観察、評価して、実践にその場で活かす、子ども学の共同研究プロジェクトにつながる内容でした。学生にとっても、教員(研究者)にとっても、子どもたちと日々関わらせていただく中で得られる気づきや疑問が、研究的な実践、実践的な研究の基盤となります。現場からいただく学びを深め、次世代の乳幼児教育の質向上に一層寄与すべく、一歩一歩精進して参る所存です。引き続きご支援ご協力お願いいたします。お世話になりました関係の先生方、みなさまに心より感謝申し上げます。(文責:安久津太一)

バイオリン教室 バイオリン教室 バイオリン教室 バイオリン教室 バイオリン教室