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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2021/09/22 現在

授業基本情報
科目名(和文)
/Course
特別講義
科目名(英文)
/Course
Special Topics in Design
時間割コード
/Registration Code
30529801
学部(研究科)
/Faculty
デザイン学部
学科(専攻)
/Department
担当教員(○:代表教員)
/Principle Instructor (○) and Instructors
川野 佐江子
オフィスアワー
/Office Hour
川野 佐江子(集中授業のため,各休憩時間を活用してください.
また,授業内でメールアドレスを提示しますので,メールでの質問も受け付けます。)
開講年度
/Year of the Course
2021年度
開講期間
/Term
前期集中
対象学生
/Eligible Students
1年,2年,3年,4年
単位数
/Credits
2
授業概要情報
更新日
/Date of renewal
2021/07/15
使用言語
/Language of Instruction
日本語
オムニバス
/Omnibus
該当なし
授業概略と目的
/Cource Description and Objectives
【授業概略】
 本科目では,まず人はなぜ衣服を着るのかという基本的な問いからはじめます。その際にエリアスの文明化行為という概念を用いて衣服とは何かを考察し,それを踏まえて近代消費社会の中で,いかにして「ファッション」が発生したかを学びます。
 次に,そもそもこの「ファッション」を生み出す近代消費社会とは何かについて理解し,代表的なデザイナーの足跡をたどることで20世紀の「ファッション」がいかなる問題軸を中心に展開されてきたかを検討します。
 さらに,衣服におけるジェンダーや身体との問題について考察し,「ファッション」がどのような方向に向かうのか,現代にある諸課題を取り上げながら検討します。

【目的】
1.「ファッション」の分析を通して近代消費社会成立のプロセスを理解する。
2.「ファッション」の分析を通して身体の諸相について理解する。
3.衣服を含む現代デザインの具体相についての基礎的知識を獲得する。
履修に必要な知識・能力・キーワード
/Prerequisites and Keywords
【キーワード】衣服,ファッション,身体表象,消費社会,ジェンダー
履修上の注意
/Notes
本科目は主にパワーポイントを使用した講義形式の授業形態ですが,授業内では学生間あるいは教員とのディスカッションも行う予定です。また,映像資料等も活用しながら,意見や発言を求めますので,ぜひ積極的に参加して下さい。
教科書
/Textbook(s)
特に指定しない。
参考文献等
/References
授業の理解を深めるために、以下の文献を読んでおくことが望ましい。
『衣服は肉体になにを与えたか』(北山晴一著、朝日新聞社、朝日選書 629)
『身体はだれのものか-比較史でみる装いとケア』(南直人編 京都橘大学女性歴史文化研究所叢書)
『文明化の過程』(ノルベルト・エリアス著(赤井 慧爾 他訳)法政大学出版局)
『象徴交換と死』(ジャン・ボードリヤール著(今村仁,塚原史 訳)ちくま学芸文庫)
自主学習ガイド
/Expected Study Guide outside Coursework/Self-Directed Learning Other Than Coursework
服飾史の基礎的文献や,20世紀以降のファッションの動向を学習しておくことで,授業の理解を補足します。また,ファッション・服飾などに関連する美術館・博物館等の展示・催しを観覧しておくなど,衣服文化への関心を深めておいてください。
資格等に関する事項
/Attention Relating to Professional License
なし
備考
/Notes
①R3の授業形態について
本科目は,対面授業を基本として計画しているが,やむを得ず一部または全部をオンライン授業で実施する可能性がある。
②アクティブラーニングについて
本授業では,以下のアクティブラーニングを採用している。
・ディスカッション
・振り返り(ミニッツペーパー等)
・課題

本科目は「実務経験のある教員による授業科目」又は「主として実践的教育から構成される授業科目」である。
その内容等については、次のアドレスの一覧表を参照。
https://www.oka-pu.ac.jp/guide/guide_detail/index/1860.html
授業計画詳細情報
No. 単元(授業回数)
/Unit (Lesson Number)
単元タイトルと概要
/Unit Title and Unit Description
時間外学習
/Preparation and Review
配付資料
/Handouts
1 1 [「ファッション」とは何か]
「ファッション」とは何かについて概要を知る。特にエリアスの「文明化」というキーワードを中心に衣服とは何かから始める。
1~5回目予習:衣服とは何か考えておくこと。 1~5回目用講義レジュメ
2 2 [「ファッション」を研究することの意味]
「ファッション」が単なる衣服の問題だけでなく,それを着る人間の問題,社会の問題であることを知る。
1~5回目予習:衣服とは何か考えておくこと。 1~5回目用講義レジュメ
3 3 [「ファッション」が起こる条件1]
「ファッション」が起こる条件について知る。ここでは近代化と共に、人間生活が生存維持の段階から人生享受の段階へと変容したことから考える。
1~5回目予習:衣服とは何か考えておくこと。 1~5回目用講義レジュメ
4 4 [「ファッション」が起こる条件2]
「ファッション」が起こる条件について知る。ここでは近代化と共に、身体感覚の広がりの獲得が大きな影響を及ぼしていることから考える。
1~5回目予習:衣服とは何か考えておくこと。 1~5回目用講義レジュメ
5 5 [「ファッション」が起こる条件3]
「ファッション」が起こる条件について知る。ここでは近代化と共に、メディア化社会の進展が人間の欲望にどのように関与していったかということから考える。
1~5回目復習:「ファッション」と近代化の関係を理解しておくこと。
予習:19~20世紀の服飾史の概要を把握しておくこと。
1~5回目用講義レジュメ
6 6 [近代とは何か,消費とは何か:封建制度からの脱却と個人の発見,残された差異]
1~5で学んだ「ファッション」が,近代というキーワードときわめて密接に関与していることを学び,近代成立の歴史的背景を知る。その際,とりわけジェンダーと「ファッション」の関係について考える。
6~10回目予習:近代ヨーロッパ史概略を理解しておくこと。 6~10回目講義レジュメ
7 7 [「ファッション」と近代消費社会]
近代がきわめて高度な消費社会であることを,ボードリヤールの消費社会論を中心に考える。
6~10回目予習:近代ヨーロッパ史概略を理解しておくこと。 6~10回目講義レジュメ
8 8 [20世紀デザインの冒険者たち(ワース,ポアレ)]
「ファッション」の中で,特に服飾史上重要なデザイナーについて知る。ここではワースやポワレを通して「ファッション」の始まりについて知る。
6~10回目予習:近代ヨーロッパ史概略を理解しておくこと。 6~10回目講義レジュメ
9 9 [20世紀デザインの冒険者たち(ヴィオネ)]
8に続いてタームとなるデザイナーであるヴィオネのファッション哲学と女性美について知る。
6~10回目予習:近代ヨーロッパ史概略を理解しておくこと。 6~10回目講義レジュメ
10 10 [20世紀デザインの冒険者たち(シャネル)]
9に続いてその後の女性の生き方やファッションビジネスにも大きな影響を与えたシャネルについて検討する。
6~10回目復習:授業で示した各デザイナーとその作品の特徴をその社会背景とともに把握しておくこと。
予習:「身体」とはなにか考察しておくこと。
6~10回目講義レジュメ
11 11 [美術史における身体表現]
「ファッション」にとって衣服だけでなくその身体の意味や関係ついて考える。ここでは美術史を俯瞰することで,身体はどのように見つめられてきたのかについて知る。
11~15回予習:身体とは何か,イメージしておくこと。 11~15回目授業レジュメ
12 12 [身体加工の現状と問題]
近代以降,身体への関心は高まり,また加工する技術も発達する。こういった現状において,身体にまつわる状況について考える。
11~15回予習:身体とは何か,イメージしておくこと。 11~15回目授業レジュメ
13 13 [身体の美とはなにか:拘束と解放]
身体とその持ち主である「わたし」について,衣服・ファッションとの関係から思考する。KCI主催の展示会「身体の夢」の映像図録を参考に,身体美がどのように変遷されデザインされてきたかについて考える。
11~15回予習:身体とは何か,イメージしておくこと。 11~15回目授業レジュメ
14 14 [ブランドビジネスの諸相]
これまで検討した衣服.身体.ファッションを踏まえ,イヴ・サンローランのドキュメンタリー映画を中心に考える。
14回予習:近代社会とアイデンティティとファッションの関係ついて考え置くこと。 11~15回目授業レジュメ
15 15 [モードの社会学]
1~14で学んだことを,身体社会学の立場で振り返り、モードとは何かについて総括する。
11~15回目復習:本講義で学んだ「ファッション」について,自分の研究課題との関連を考察してみること。 11~15回目授業レジュメ
授業評価詳細情報
到達目標及び観点/Learning Goal and Specific Behavioral Viewpoints
No. 到達目標
/Learning Goal
知識・理解
/Knowledge & Undestanding
技能・表現
/Skills & Expressions
思考・判断
/Thoughts & Decisions
伝達・コミュニケーション
/Communication
協働
/Cooperative Attitude
1 「ファッション」の分析を通して近代消費社会成立のプロセスを理解できる。(C)
2 「ファッション」の分析を通して身体の諸相について理解できる。(C)
3 衣服を含む現代デザインの具体相についての基礎的知識を獲得できる。(C)
成績評価方法と基準/Evaluation of Achievement
※出席は2/3以上で評価対象となります。
No. 到達目標
/Learning Goal
定期試験
/Exam.
ミニッツペーパー 授業への参加度 レポート
1 「ファッション」の分析を通して近代消費社会成立のプロセスを理解できる。(C)
2 「ファッション」の分析を通して身体の諸相について理解できる。(C)
3 衣服を含む現代デザインの具体相についての基礎的知識を獲得できる。(C)
評価割合(%)
/Allocation of Marks
30 20 50

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