授業科目名(和文) [Course] |
高信頼性システム |
授業科目名(英文) [Course] |
High Reliability Systems |
学部(研究科) [Faculty] |
情報系工学研究科 |
学科(専攻) [Department] |
システム工学専攻前期 |
担当教員(○:代表教員) [Principle Instructor(○) and Instructors] |
○佐藤 洋一郎 自室番号(2406)、電子メール(sato**ss.oka-pu.ac.jp) ※利用の際は,** を @に置き換えてください |
単位数 [Point(Credit)] |
前期 2単位 |
対象学生 [Eligible students] |
1・2年次生 |
授業概略と目標 [Course description and Objects] |
コンピュータには極めて高い信頼性が要求されるようになっている。コンピュータの高信頼化は、近年、障害の原因となる故障(LSIの故障、雑音等)を抑制する技術と、故障が発生したとしても障害の発生を抑制する技術とを併用する形式で実現されている。前者の技術を Fault Avoidance、後者の技術を Fault Tolerance と言う。本講義では、Fault Tolerance の基本概念を理解するとともに、その概念に基づくコンピュータの実現法について学ぶ。 |
到達目標 [Learning Goal] |
1. コンピュータシステムの高信頼化の必要性を理解する 2. Fault Tolerance の基本的な概念を理解する 3. ハードウェア冗長による基本的な高信頼化設計技術を習得する 4. 情報冗長による高信頼化設計技術に利用する各種符号の特徴を理解する |
履修上の注意 [Notes] |
特になし |
授業計画とスケジュール [Course schedule] |
1.授業の概要,進め方の説明 本講義の主題であるFault Toleranceの概念について概説した後、輪講形式による授業の進め方を説明する。 2.Fault Tolerance が目指すもの Fault Toleranceの詳細な概念とFault Toleranceの最終的な到達目標を理解する。 3.Fault Tolerance の応用分野 Fault Toleranceが特に重要な技術的要素を占める5つの応用分野について学ぶ。 4.Fault Tolerance に関する専門用語 Fault Tolerance技術を理解する上で重要となる特有の専門用語の意味を理解する。 5.Fault Model と Error Model Fault Toleranceで極めて重要な概念であるFault(故障)モデル及びError(誤り)モデルについて学ぶ。 6.ハードウェア冗長 (TMR,NMR) Fault Toleranceの一形式であるFault Maskingを実現するためのハードウェア方式について学ぶ。 7.ハードウェア冗長 (Voting) 多重化において信頼度向上のキーとなるVoting機能の実現方法について理解する。 8.ハードウェア冗長 (Duplication,Standby) Fault Toleranceの一形式である再構成を実現するためのハードウェア方式の1つとして、2重化及び待機方式について学ぶ。 9.ハードウェア冗長 (Pair and A Spare) 再構成を実現するためのハードウェア方式の一つとして、2重化を単位とした階層的な多重化手法について学ぶ。 10.ハードウェア冗長 (Self-Purging) 再構成を実現するために必須のテクニックである誤りの生じたモジュールの切り離し手法について学ぶ。 11.ハードウェア冗長 (Shift-Out,Triple-Duplex) アナログ信号を対象とした再構成を実現するための手法について学ぶ。 12.情報冗長 (Coding Theory,Parity) Fault Toleranceの一形式である情報冗長の基本的な概念である符号の概念を理解する。 13.情報冗長 (m-of-n,Berger) Fault Toleranceの分野で利用されている誤り検出符号として、単方向誤りに対して高い能力をもつ符号の性質を学ぶ。 14.情報冗長 (Cyclic) Fault Toleranceの分野で利用されている誤り検出訂正符号として、巡回符号の性質及びハードウェア的な生成法を理解する。 15.時間冗長とソフトウェア冗長 過渡的な故障に対して高い耐性を有する時間冗長の実現手法と近年重要となるソフトウェアのバグに対するFault Tolerance手法を学ぶ。 |
成績評価方法と基準 [Grading policy (Evaluation)] |
授業中の発表(2〜3回)及びレポート(1回以上)により総合的に評価する。 |
教科書 [Textbook] |
[教科書]プリントを使用する [参考書]「フォールトトレラントシステムの構成と設計」,当麻,南谷,藤原著,槇書店 |
自主学習ガイド及び キーワード [Self learning] |
英文の資料を用いて輪講形式で行うが、担当箇所の資料(パワーポイントファイル)を作成する際には、単なる和訳ではなく、キーとなる項目を整理し、他の文献等を調べることにより、より充実した内容にすることに重要を置くこと。また、不明点,疑問点については、積極的に質問し,授業中に解決しておくこと。 キーワード:耐故障性、ハードウェア冗長、情報冗長、時間冗長、ソフトウェア冗長、符号、ディペンダビリティ、ディペンダブルシステム |
開講年度 [Year of the course] |
28 |
備考 | 特になし |