授業科目名(和文) [Course] |
符号理論特論 |
授業科目名(英文) [Course] |
Advanced Coding Theory |
学部(研究科) [Faculty] |
情報系工学研究科 |
学科(専攻) [Department] |
システム工学専攻前期 |
担当教員(○:代表教員) [Principle Instructor(○) and Instructors] |
○榊原 勝己 自室番号(2405)、電子メール(sakaki**c.oka-pu.ac.jp) ※利用の際は,** を @に置き換えてください |
単位数 [Point(Credit)] |
前期 2単位 |
対象学生 [Eligible students] |
1・2年次生 |
授業概略と目標 [Course description and Objects] |
ディジタル通信システムの信頼性を高めるために不可欠な誤り訂正符号の理論を講述する.シフトレジスタによる簡便な巡回符号から,ガロア体の理論に基づく誤り訂正符号の理論的側面,コンパクトディスクやQRコードで使用されているReed-Solomon符号等の実用的側面について述べる. |
到達目標 [Learning Goal] |
・群,環,体の抽象代数学の概念とガロア体の構成法を理解する. ・巡回符号の符号化,復号方法を理解する. ・Reed-Solomon符号の符号化,復号方法を理解する. ・巡回符号,Reed-Solomon符号の構造とガロア体の関係を学ぶ. ・誤り訂正符号の実用例を学ぶ. |
授業計画とスケジュール [Course schedule] |
1. 抽象代数学の基礎(群,環,体,単位元,逆元) ・群,環,体の定義,単位元,逆元の役割を説明する. 2. ガロア体とガロア体 ・要素数が有限であるガロア体(有限体)上における四則演算を説明する. 3. ガロア体(基礎体) ・要素数が素数となるガロア体(基礎体)の性質を説明する. 4. ガロア体(拡大体) ・実数から複素数への拡張と対比させながら,拡大体の構造を説明する. 5. ガロア体上のベクトル空間とハミング距離 ・ガロア体の要素から構成されるベクトル空間とハミング距離を説明する. 6. 誤り訂正符号の概念、最小距離 ・誤り訂正符号の概念と,誤り訂正能力に関与する最小ハミング距離を説明する. 7. 生成多項式の役割と巡回符号の符号化 ・係数をガロア体の要素とする多項式と,巡回符号の関係,符号化法を説明する. 8. シンドロームの役割と巡回符号の復号 ・巡回符号の復号法を説明する. 9. 巡回符号の最小距離、BCH限界 ・最小距離の下界式として知られているBCH限界を説明する. 10. Reed-Solomon符号の符号化 ・CDあるいはQRコードで利用されているReed-Solomon符号を巡回符号として捉え,その符号化を説明する. 11. Reed-Solomon符号の復号(シンドローム計算,Petersonアルゴリズムの概要) ・Reed-Solomon符号の復号法の第1段階として,シンドローム計算およびPetersonアルゴリズムの概要を説明する. 12. Reed-Solomon符号の復号(誤り位置多項式) ・Reed-Solomon符号の復号法の第2段階として,誤り位置多項式を用いた誤り位置の推定法を説明する. 13. Reed-Solomon符号の復号(誤り数値多項式) ・Reed-Solomon符号の復号法の最終段階として,誤り数値多項式を用いた誤り数値の推定法を説明する. 14. 誤り訂正符号の実用例(コンパクトディスク) ・Reed-Solomon符号がCDでどのように利用されているかを説明する. 15. 誤り訂正符号の実用例(QRコード) ・Reed-Solomon符号がQRコードでどのように利用されているかを説明する. |
成績評価方法と基準 [Grading policy (Evaluation)] |
質問等による授業への積極的な参加(30%),レポート等(70%)により総合的に判断します. |
教科書 [Textbook] |
教科書:使用しない。 参考書:「誤り訂正符号とその応用」江藤・金子(監修),オーム社 |
自主学習ガイド及び キーワード [Self learning] |
ガロア体上の四則演算に慣れるよう小さな体の例を作成し,手計算しておくこと. [キーワード] ガロア体(有限体),Reed-Solomon符号,巡回符号,Peterson復号法,CD,QRコード |
開講年度 [Year of the course] |
28 |