○公立大学法人岡山県立大学職員健康情報等取扱要綱
令和4年3月18日
(趣旨)
第1条 この要綱は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)第104条第2項の規定に基づき、公立大学法人岡山県立大学(以下「法人」という。)における業務上知り得た職員の心身の状態に関する情報(以下「健康情報等」という。)の適切かつ有効な取扱いのために必要な事項を定める。
(定義)
第2条 この要綱における用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
(1) 健康情報等 業務上知り得た健康診断の結果、病歴及びその他の健康に関する心身の状態に関する情報であって、別表に掲げるものをいう。
(2) 健康情報等の取扱い 健康情報等に係る収集から保管、使用、消去までの一連の措置をいう。
(3) 収集 健康情報等を入手することをいう。
(4) 保管 入手した健康情報等を保管することをいう。
(5) 使用 健康情報等を取り扱う権限を有する者が、健康情報等を活用(閲覧を含む。)すること又は第三者に提供することをいう。
(6) 加工 収集した健康情報等の他者への提供に当たり、当該健康情報等の取扱い目的の達成に必要な範囲内で使用されるように変換することをいう。
(7) 消去 収集、保管、使用、加工した情報を削除するなどして使えないようにすることをいう。
(法令との関係)
第3条 この要綱に定めのない事項については、安衛法その他の関係法令の定めるところによる。
(健康情報等を取り扱う目的及び取扱い方法)
第4条 法人は、健康確保措置の実施及び安全配慮義務の履行を目的として健康情報等を取り扱うものとする。
2 健康情報等を取り扱う者は、あらかじめ職員本人の同意を得ることなく前項で定めた利用目的の達成に必要な範囲を越えて、健康情報等を取り扱ってはならない。ただし、岡山県個人情報保護条例(平成14年岡山県条例第3号。以下「条例」という。)第7条第1項の各号に該当する場合を除く。
(健康情報等を取り扱う者及びその権限並びに健康情報等の範囲)
第5条 健康情報等を取り扱う者及びその者の権限の範囲、取り扱う健康情報等の範囲を別表のとおり定める。
2 前項に定めた権限を越えて健康情報等を取り扱う場合は、職員本人の同意を得るものとする。
(健康情報等を取り扱う目的の通知方法)
第6条 健康情報等を取り扱う場合には、あらかじめその利用目的及び取扱い方法を職員本人に通知又は公表する。公表していない場合であって、情報を取得した場合には、速やかにその利用目的等を職員本人に通知する。
(職員本人の同意の取得方法)
第7条 法人は、安衛法その他関係法令及び法人の規程に基づき収集する健康情報等について、職員本人の同意を得ずに収集することができる。
2 安衛法その他関連法令で定められていない項目について収集する場合は、適切な方法により職員本人の同意を得ることで収集することができる。ただし、本要綱が職員本人に認識される合理的かつ適切な方法により周知され、職員本人が本要綱に規定されている健康情報等を職員本人の意思に基づき提出したことをもって、当該健康情報等の取扱いに関し職員本人からの同意の意思が示されたものとみなすことができる。
(健康情報等の適正管理の方法)
第8条 健康情報等は、公立大学法人岡山県立大学個人情報保護規程(以下「個人情報保護規程」という。)及び公立大学法人岡山県立大学の保有する個人情報の適切な管理に関する規程に基づき適正に管理する。
(健康情報等の開示、訂正、利用停止等)
第9条 健康情報等の開示、訂正、利用停止については、個人情報保護規程第3条から第21条の規定により行うものとする。
(健康情報等を第三者に提供する場合の取扱い)
第10条 あらかじめ職員本人の同意を得ることなく健康情報等を第三者に提供してはならない。ただし、条例第7条第1項の各号に該当する場合を除く。
(第三者から健康情報等の提供を受ける場合の取扱い)
第11条 第三者から健康情報等の提供を受ける場合には、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第26条に則り、必要な事項について確認するとともに、記録を作成し保存する。
(組織変更に伴う健康情報等の引継ぎに関する事項)
第12条 組織変更に伴い、健康情報等を取り扱う者を交代する場合は、安全管理措置を講じた上で、適正な管理の下情報の引継ぎを行わなければならない。
(健康情報等の取扱いに関する苦情の処理)
第13条 健康情報等の取扱いに関する苦情は、適切かつ迅速に処理する。
(職員への周知の方法)
第14条 要綱は学内ネットワークへの掲示により職員に周知する。
(その他)
第15条 要綱に定める健康情報等に関する事務は、事務局総務課で行う。
第16条 要綱の改廃は、衛生委員会にて行う。
附則
この要綱は、令和4年4月1日から施行する。
別表(第2条第1号及び第5条第1項関係)
区分 | 健康情報等を取り扱う者 | 表記 |
人事に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者 | 理事長、事務局長、事務局次長 | 理事長等 |
産業保健業務従事者 | 産業医、衛生管理者 | 産業医等 |
管理監督者等 | 学部長、学科長、課長、班長 | 学部長等 |
総務部門の事務担当者 | 総務課職員 | 事務担当者 |
健康情報等の種類 | 健康情報等を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う健康情報等の範囲 | |||
理事長等 | 産業医等 | 学部長等 | 事務担当者 | |
①安衛法第65条の2第1項の規定に基づき、法人が作業環境測定の結果に基づいて、職員の健康を保持するため必要があると認めたときに実施した健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
①―1 上記の健康診断の受診・未受診の情報 | ○ | ○ | △ | △ |
②安衛法第66条の第1項から第4項までの規定に基づき法人が実施した健康診断の結果並びに安衛法第66条第5項及び第66条の2の規定に基づき従業員から提出された健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
②―1 上記の健康診断を実施する際、法人が追加して行う健康診断による健康診断の結果 | △ | ○ | △ | △ |
②―2 上記の健康診断の受診・未受診の情報 | ○ | ○ | △ | △ |
③安衛法第66条の4の規定に基づき法人が医師又は歯科医師から聴取した意見及び第66条の5第1項の規定に基づき法人が講じた健康診断実施後の措置の内容 | ○ | ○ | △ | △ |
④安衛法第66条の7の規定に基づき法人が実施した保健指導の内容 | △ | ○ | △ | △ |
④―1 上記の保健指導の実施の有無 | ○ | ○ | △ | △ |
⑤安衛法第66条の8第1項(第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項)の規定に基づき法人が実施した面接指導の結果及び同条第2項の規定に基づき職員から提出された面接指導の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑤―1 上記の職員からの面接指導の申出の有無 | ○ | ○ | △ | △ |
⑥安衛法第66条の8第4項(第66条の8の2第2項、第66条の8の4第2項)の規定に基づき法人が医師から聴取した意見及び同条第5項の規定に基づき法人が講じた面接指導実施後の措置の内容 | ○ | ○ | △ | △ |
⑦安衛法第66条の9の規定に基づき法人が実施した面接指導又は面接指導に準ずる措置の結果 | ○ | ○ | △ | △ |
⑧安衛法第66条の10第1項の規定に基づき法人が実施した心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑨安衛法第66条の10第3項の規定に基づき法人が実施した面接指導の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑨―1 上記の職員からの面接指導の申出の有無 | ○ | ○ | △ | △ |
⑩安衛法第66条の10第5項の規定に基づき法人が医師から聴取した意見及び同条第6項の規定に基づき法人が講じた面接指導実施後の措置の内容 | ○ | ○ | △ | △ |
⑪安衛法第69条第1項の規定に基づく健康保持増進措置を通じて法人が取得した健康測定の結果、健康指導の内容等 | △ | ○ | △ | △ |
⑫労働者災害補償保険法第27条の規定に基づき、職員から提出された二次健康診断の結果及び労災保険法の給付に関する情報 | △ | ○ | △ | △ |
⑬治療と仕事の両立支援等のための医師の意見書 | △ | ○ | △ | △ |
⑭通院状況等疾病管理のための情報 | △ | ○ | △ | △ |
⑮健康相談の実施の有無 | △ | ○ | △ | △ |
⑯健康相談の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑰職場復帰のための面談の結果 | △ | ○ | △ | △ |
⑱(上記のほか)産業保健業務従事者が職員の健康管理等を通じて得た情報 | △ | ○ | △ | △ |
⑲任意に職員から提供された本人の病歴、健康に関する情報 | △ | ○ | △ | △ |
労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)に基づき、法人が直接取り扱う必要がある情報:①―1、②―2、③、④―1、⑤―1、⑥、⑦、⑨―1、⑩ 労働安全衛生法施行令に基づき、収集するが必ずしも法人が直接取り扱う必要のない情報:①、②、④、⑤、⑧、⑨、⑪、⑫、⑮ 法令によらず法人が収集する情報であり、取り扱う担当者を定め、職員本人の同意に基づき、取り扱う必要がある情報:②―1、⑬、⑭、⑯、⑰、⑱、⑲ |
注 「健康情報等を取り扱う者及びその権限並びに取り扱う健康情報等の範囲」欄の○、△は、次のとおり区分する。
○:情報の収集、保管、使用、加工及び消去を行う。
△:情報の収集、保管及び使用を行う。なお、使用に当たっては、職員本人に対する健康確保措置を実施するために必要な情報が的確に伝達されるよう医療の専門的知識を有する者が集約・整理・解釈するなど適切に加工した情報を取り扱う。