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【アクティブ・ラボ】岡山県野生酵母を活かしたテロワールビールの開発へ向けて

岡山県産の野生酵母を利用して地域特産のクラフトビールを醸造するプロジェクトを立ち上げようと、2021年2月7日岡山市内でアクティブ・ラボ*が開かれました。
*岡山県立大学では、アクティブラボ・ラボ(出前研究室)として、教員やコーディネータが企業を訪問し情報交換や技術相談に伺う活動を推進しています。

 

アクティブラボの様子


当日は、オンラインも併せ県内の醸造所やコンサルティング事業者など関係者12名の参加となりました。その中で、岡山県立大学発酵微生物学研究室の田中晃一教授は、様々な産地で製造されるワインの品質の違い(テロワール)がそれぞれの地域に生息する酵母により生み出されることを示唆する報告*に基づき、岡山県の野生酵母を使うことで個性的な地域特産ビールを醸造できる可能性を示し、これまでに県内の自然環境から採取した野生酵母に関する研究の進捗状況の報告や酵母の提供方法の提案などを行いました。
*参考文献:Knight, S., Klaere, S., Fedrizzi, B. et al. Regional microbial signatures positively correlate with differential wine phenotypes: evidence for a microbial aspect to terroir. Sci Rep 5, 14233 (2015). https://doi.org/10.1038/srep142335

発酵微生物学研究室では、自然環境から生活に役立つ優れた能力を持つ微生物を見つけ出す研究を進めており、この日は、これまでに岡山県産のフルーツや野菜、本学構内の花や樹木など、県内の様々な自然環境から採取した計1,099株の野生酵母の中から、グルコースおよびマルトースに対する発酵力が強く、ビールの醸造に適すると考えられる21株を選抜したことを報告しました。

 
吉備土手下麦酒 永原会長
吉備土手下麦酒の永原会長

 
参加した醸造所からは、醸造所に縁のある分離源やそれぞれの土地からの酵母採取の可能性や、独自に採取した酵母の菌種同定に関する相談なども行われました。吉備土手下麦酒の永原会長からは「コロナ禍でお互いに厳しい状況の中であるが、新しい挑戦で技術を磨き、良いものを造って地域の方に飲んでもらう。こういった取り組みは、コロナ禍を乗り越えた後でも意義を持つと思う。」と、岡山県産酵母を使用して各々の醸造所の特徴を活かしたビールを造るという本プロジェクトの立ち上げへの想いが語られました。このほか、廃竹材で作られる「竹パウダー」(竹の表皮を削った粉)と岡山県産大麦をコラボさせることで「竹の町真備」に相応しい新ビールが生まれるのでは、などと活発な意見が交わされました。

 

 
◇本件担当研究室
岡山県立大学保健福祉学部栄養学科
発酵微生物学研究室 田中晃一教授

昨年は、総社市のブドウ農家より寄せられた「これまで廃棄していた摘果マスカットの有効な活用法はないか」という声に対してビール醸造とのコラボを提案し、吉備土手下麦酒によりフルーツビール(新しい地産商品)の開発・販売へと繋がりました。現在、ゼミ生は本商品に相応しいラベルのデザインを提案するなど、地産商品の開発に参加しています。 

 
ラベルを提案したゼミ生
 


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